1. 住宅ローンが残っている物件でも売却が可能な理由
「ローンが残っている物件は売却できないのでは?」と不安に思う方は少なくありません。
しかし、実際にはローン残債があっても物件を売却することは可能です。
その理由は、物件を売却した際の「売却代金」を使って住宅ローンを完済することができるからです。
具体的には、以下のような仕組みです:
物件を売却 → 売却代金でローン残債を完済 → 抵当権を抹消 → 新しい所有者に引き渡し
住宅ローンが組まれている物件には、通常「抵当権」という権利が設定されています。
抵当権とは、万が一ローン返済が滞った場合に金融機関が物件を差し押さえる権利です。
しかし、売却代金でローンを完済し、抵当権を抹消すれば、物件の売却が可能になります。
「売却価格 ≧ ローン残債」の場合は特に問題なく手続きが進みます。
一方、「売却価格 < ローン残債」の場合でも、いくつかの対策を取ることで売却が可能になるケースが多いです。
後述する「任意売却」や金融機関との交渉がカギとなります。
2. 売却額がローン残高を上回る場合(オーバーローンではないケース)
住宅ローンの残債よりも売却価格が高い場合、売却代金をそのままローン返済に充てることができます。
これを「アンダーローン」と呼びます。
この場合の流れは比較的シンプルです。
① 買い手が見つかり、売却契約を締結する
② 売却代金が振り込まれた後、金融機関へ一括返済する
③ 抵当権を抹消し、買い手に所有権を移転する
このケースでは、売却後に残った資金を次の住み替えや新たな生活資金として使うことも可能です。
市場価格が上昇傾向にある地域(例えば江戸川区の一部)では、アンダーローンになるケースが比較的多く見られます。
3. 売却額がローン残高を下回る場合(オーバーローンのケース)
一方、住宅ローンの残高が売却価格を上回る場合(オーバーローン)でも、物件を売却することは不可能ではありません。
主な方法として「自己資金の補填」か「任意売却」が挙げられます。
・自己資金の補填
例えば、住宅ローンの残債が2,000万円で、物件が1,800万円で売れた場合、差額の200万円を自己資金から補填して完済します。
手持ち資金に余裕があればこの方法が最もシンプルです。
・任意売却
自己資金で不足分を補えない場合は「任意売却」という方法が選択肢に入ります。
任意売却は、金融機関の同意を得て、ローン残債を抱えたまま物件を売却する方法です。
競売よりも高値で売却できる可能性が高く、経済的なダメージを最小限に抑えることができます。
任意売却についての詳しい内容や手続きは次回の記事テーマで触れますが、重要なのは「早めに金融機関と相談すること」です。
4. 抵当権抹消手続きとその重要性
物件を売却する際、住宅ローンが残っている場合には「抵当権の抹消手続き」が必須です。
この手続きを怠ると、物件の所有権が次の買い手に移せなくなります。
抵当権抹消の主な流れ
①金融機関から「抵当権抹消書類」を受け取る
②司法書士に依頼して法務局で登記手続きを行う
③登記完了後、買い手へ所有権が移転される
この手続きは専門知識が必要になるため、通常は司法書士や不動産会社に依頼することが一般的です。
不動産売却の際は、手続きに抜け漏れがないように専門家と協力することが大切です。
5. 江戸川区の市場状況を踏まえた売却のポイント
江戸川区はファミリー層に人気があり、手頃な価格の物件が多いエリアです。
市場価格が安定していることから、住宅ローン付きの物件でも買い手が見つかりやすい傾向にあります。
・市場の動向を把握し、適切な価格設定を行う
・信頼できる不動産会社と連携して売却戦略を立てる
江戸川区の地域特性を理解し、タイミングを見計らって売却すれば、ローン残債をクリアしつつ、スムーズに売却を進めることが可能です。